虚舟

書いては消しては書いては消して
また書いての繰り返しで  漕ぎ進めた
墓場を横目に

書いては消して書いては消して
また書いての繰り返しで溺れかけて
まだ見えない 見えない

幾多の崖や丘を乗り越えて
数多の光を知った彼らとは
目が合わぬように 息を吐いた

行き場のない"SOS"を海辺の彼女に向かって

ゆらゆら揺れる波のように
彷徨い 漂う 僕の心
水面に映る 「月が綺麗ですね。」

ふらふらふら舞っていく
灯台の光(あかり)が闇夜に溶けてゆくのを見ていた
その光の中で僕を見た

トトト ツーツーツー トトト……

Yusaku Ando